■建築研究資料

防火地域制の指定の変遷と建築物の耐火化傾向に関する研究資料

横山  浩,   杉山  煕,   熊谷  良雄

建築研究資料  No.,  37,  建設省建築研究所


<概要>

  市街地の建築物の耐火化傾向に関する研究は従来から行われてきたところであるが、都市の防災化という側面から、とくに、防火地域制の指定基準、指定の効果等について解明することが要請されている。
  本研究資料は、上記のような動向をふまえて、東京都の区部を対象として、防火地域等の指定の変遷を把握するとともに、主として路線式防火地域の指定と建築物の耐火化傾向を分析することを目的としてとりまとめたものである。
  防火地域制度については、都市計画法制定以前の防火線及屋上制限規則等の防火対策や、その後の都市計画法の適用による防火地域制の変遷を概観し、次に制度の具体的な適用の実態を明らかにするため、東京都の区部について、明治14年の東京市防火路線から大正14年の防火地区を経て、昭和48年の防火地域に至る一連の指定の変遷をまとめている。
  建築物の耐火化傾向については、同じく東京都の区部を対象として、東京消防庁が行った調査データを持いて、面的な準防火地域の指定年次と木造建物率の関係を分析するとともに、幹線道路の路線式防火地域の指定と耐火造建築物との関連について分析し、準防火地域内では木造率の減少率は年間約2%前後であること、主要な街路の南側では防火地域指定後の年数よりも他の要因で耐火化が促されていること等が明らかになった。
  また、付録として函館市の都市防火対策の変遷についてまとめている。


建築研究資料一覧へ戻る |  出版物一覧へ戻る



前のページに戻る



 所在地・交通案内
関連リンク
サイトマップ
お問い合わせ
リンク・著作権


国立研究開発法人 建築研究所, BUILDING RESEARCH INSTITUTE

(c) BRI All Rights Reserved