建築材料の防火試験及び耐火試験報告
第2研究部・第5研究部
建築研究報告 No.15, 1955 建設省建築研究所
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<概要> |
昭和25年頃より第2、第5研究部の数名の研究員が夫々の担当において種々の材料の防火試験、耐火試験を行って来た。これらの試験結果の一部は各人によって日本建築学会等の研究発表会で発表されているが、未発表のものも多く、この際防火材料全般を通覧する意味で今までの防火、耐火試験結果をまとめた。
耐火試験においては横型ガス炉を用いた実大梁、柱、床版等の試験が行われているが、今回は壁体材料に限り、横型ガス炉による試験結果の報告は次回にゆずる事とした。
ここで報告する結果はすべて建築物のごく一部分を取り出して試験体としJIS
A 1301、JIS A 1302の試験を行ったもので、その寸法も最大3尺×3尺程度にすぎない。従ってこの試験の結果と実際の建築物の結果とではかなり異なる事は当然予想される事であり、建築物として大壁面を構成した場合は熱膨張、熱収縮、電気器具等の取付箇所、目地部の処理等、実験では現れなかった欠点が出て来るであろう。又、2面、3面から加熱される出隅、突出の部分は平板に比し温度上昇は速い。ここに報告するものはあくまで材料の性質を主とした試験であり、建築物の設計に当ってはこの点充分に考慮の上、ある程度の安全率をとる事が必要である。
附表中の温度で範囲の示していないものは数枚試験した内の最高温度を示したものであり、附図も同様最高温度を示した試験体のものである。
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