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■建築研究報告 |
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コンクリートパネル構造による平家建公営住宅の建設に関する実験的研究 量産公営住宅研究委員会 建築研究報告 No.40, 1964 建設省建築研究所 |
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＜概要＞ |
| 建設省住宅局では，昭和37年度より公営住宅として工場製のコンクリート外壁パネル，キーストンプレート屋根および木製内装パネルによるプレファブ建築の採用にふみきり，とりあえず各地の地方自治体により同年度中に約800戸が建設された。この報告書は住宅局の要望により，この量産公営平家建住宅を対象として行った一連の実験研究および現場調査の結果である。 まず，2戸の試作家屋を建築研究所構内に建て，構造耐力の試験を行った（第1章，第2章）。この耐力の確認のもとに，5棟の試作工事が東京都において開始されたが，この工事に対し詳細な現場実態調査を行い，本格的な建設工事に大きな拠り所をあたえた。引続き実施工事に対しても調査を行い，現場の実態を一層明らかにし，38年度工事に資するところ大であった（第7章）。 研究所構内の試作家屋ではその後室内気候を測定して，この種建物の冬期の居住性を明らかにし（第4章），引続き火災実験に供して建物の防火性，耐火性を検討した（第6章）。 一方，内装パネルに対しては衝撃および湿気による変形試験を，またコンクリート壁パネルに対してはガス炉による耐火試験を行い，それぞれ基礎的な資料を得た（第3章，第5章）。 当研究所ではここ数年来木造にかわる簡易な不燃住宅の研究を続けており，36年度には現場生産によるコンクリートパネル方式の住宅試案を提示したが，今回採用の平家建住宅はその単価が低廉のため，これまでの研究や今回の研究からみて必ずしも満足のゆく建物とはいえないようである。しかし，工場生産部品によるプレファブ化にふみきった点には意義があるものと思う。38年度にはこれが2階建に発展し，平家と2階で計5000戸が建設される運びとなった。この種建物に期待されるものは大きい。 本報告に対する各方面のご意見，ご助言をお願いする次第である。 |
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| 建設省建築研究所長 工学博士 平賀謙一 |
